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2017年10月27日金曜日

腕木式方向指示器14

バイクや小型自動車に多く使われる小型機械式は有名メーカー以外にもかなりあり、興味は尽きませんが今となっては氷山の一角しか残ってないのでしょう。
今回のものもその一つで手元にある一本は指示矢が破損してて、セルロイドも無くなってますがケースは比較的綺麗です。


ネームプレートはSを大きくデザイン化したShinkoと読めます。
下のKUME-WORKSはメーカー名でしょう。


本体に指示矢のロック機構は無く、バネで下げ位置に戻すようになっているだけです。これはニッポーと同じくオペレーター側でロックする方式です。



電球の口金はネジ式(エジソンスクリューやエジソンベースと呼ぶらしい)自転車用腕木式以外で見るのは初めてです。振動で緩むおそれか自動車用腕木式方向指示器のJIS規格には適合しません。

背面下部の大きな丸穴は指示矢の緩衝ゴムが付いていたのでしょう。

ケース長さ約200mm、アポロやニッポーの小型とほぼ同寸です。






2017年10月15日日曜日

腕木式方向指示器13

JIS規格ではD5702に自動車用腕木式方向指示器の項目があり、写真の物は昭和32年改正版ですが、昭和26年10月31日に制定されてるようです。
D5702は昭和46年10月1日に廃止されてますが、その間何度か改正があったとおもわれます。



ネームプレートにも描かれてます。

本体に誇らしげにプレスされてるものも。

ニッポーの指示矢も認定後はJISマークの刻印が追加されてます。
アポロのネームプレートにもマークの表示はありますが、同時期の製品にも有無が混在してたり、後期の生産分には付いてなかったり、不明な点もあります。詳しい事情はわからないので、掘り下げるのはやめときましょう。



昭和29年頃の雑誌広告、JIS規格品を主張してますね、信頼の証なんでしょう。




細かい字が見えづらいかもしれませんが全文を掲載しときます。

腕木式方向指示器は昭和48年7月の運輸省令23号「従来の腕木式…中略…方向指示器は点滅式に統一する」で廃止されてますが「昭和48年11月以前の生産車両については腕木式方向指示器を認める」の一文もあり、今でもそれに該当する車種は腕木式のみでも車検に通ります。

2017年10月12日木曜日

腕木式方向指示器12

日産のネームプレートが付いてるアポロ製大型機械式です。
一般のアポロ製は背面に製造年月が刻印されてるのですが、これらには刻印が無く製造年不明です。
外見から推測すると、昭和27年以前の製造は間違いないでしょう。
カタカナ表記の方は背面に76、86と刻印がありますが、製造年月とは関係無いようです。



ローマ字表記の方は塗り重ねてますが、地色は共にカーキ色です。

キャップの裏面はオリジナル色が残ってます。
カタカナ表記とローマ字表記、新旧については判別しにくいですね。
戦前のニッサン80型トラックのカタログにはどちらも使われてます。昭和13年頃以降のカタログには時節柄かカタカナ表記になってます。
戦後、社紋としてはローマ
字に移行してますが、昭和30年代になってもカタログのニッサントラックなどの文字は独特の字体が使われてます。
           

2017年10月8日日曜日

腕木式方向指示器11

電気式の大半はソレノイドコイルを使ったものですが、モーターの正逆転を利用したものもあります。
メトロ工業が昭和28~38年に製造したもので、製造時期により指示矢の色やプレスの細部に違いがありますが、ケース長さ約230mmの同一タイプのみです。
アポロ大型よりやや小振りです。
電圧は6、12、24Vあります。
時代を感じさせる当時のパンフレット



上から下へと新しくなります。
緑色のも製品の地色は同じです。
写真では分かりにくいですが、初期のものはリブが中央にあります。
指示矢の色が赤からオレンジに移行するのは他社にも同じ傾向にあります。

細かく見ればキャップの長さも変化がありますが、時期的なものかは不明。

モーターの色は他にもあり、電圧とは無関係のようです。

駆動部はこんなんで、ギアボックスはカシメで密閉されてます。
圧着によるクラッチ機能があり、上げ下げ位置で急停止してもギアの歯が痛まないようになってます。


3ヶ所ある接点は指示矢側の接点と巧妙に接触し、指示矢の上げ下げ定位置の寸前に接触が外れモーターへの給電が止まって惰性で定位置に収まるようになってます。
ギアの抵抗力で、指示矢はそれぞれの位置に止まってます。
また、指示矢側の銅の丸い接点は上げ位置で通電して点灯するためのものです。